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化粧文化 COSMETIC CULTURE
もっと知りたい日本髪

011

髪のお手入れ その壱

2020.12.24

前回まで紹介してきた日本髪は、どれも立体的に作りこまれた髪型です。こうした複雑な髪型は、髪を鬢付け油で固め、髷の根元を元結で緩まないようにしっかり縛った上で立体感を出していました。技巧をこらした髪型を結うのはとても大変ですが、しっかり髪油で固めた髪を洗うのはもっと大変。地域や身分によっても違いますが、なんと洗髪するのは、月に1~2回だったようです。

《菊模様油壺》 江戸時代~明治時代
液体の髪油は、このような壺型の容器に入れて保存した。丸みのある胴体は重心が低く安定がよい。《菊模様油壺》 江戸時代~明治時代
液体の髪油は、このような壺型の容器に入れて保存した。丸みのある胴体は重心が低く安定がよい。

江戸時代の女性は、一日中ほぼ24時間、髪をセットしたままのアップスタイルで過ごしていました。日常生活では櫛で髪のほつれを直す程度ですし、夜は、髪型が崩れないように箱枕を首にあてて寝ていました。
髪を結うのも大変! セットを保つのも大変! 髪を洗うのも大変! サラサラ、フワフワヘアーのために毎日シャンプーをする今の私たちには、考えられない習慣です。
でも、「婦人たしなみ草」という髪のお手入れシーンを描いた浮世絵のことば書きには、「髪化粧は女性のたしなみの第一である、髪化粧によって貞女にもいやしい女にも見られてしまう」と書かれています。江戸時代、髪のよそおいは女性にとって、とても大事で"髪の乱れは、心の乱れ"と見られていたのでしょう。
お手入れを怠らず、いつでもカッチリセットした髪でいるのが、女性のたしなみだったのです。
次回は、実際の洗髪シーンについてお伝えします。

《婦人たしなみ草》 香蝶楼国貞 弘化4年(1847)(国文学研究資料館撮影)
洗髪後に髪を梳いている。《婦人たしなみ草》 香蝶楼国貞 弘化4年(1847)(国文学研究資料館撮影)
洗髪後に髪を梳いている。

※このコンテンツは2015年から2018年にポーラ文化研究所Webサイトにて連載していた「やさしい日本髪の歴史」を一部改訂再掲載したものです。

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