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化粧文化 COSMETIC CULTURE
お化粧ヒストリー

どうやって使うもの?化粧水をつくる「蘭引」

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どうやって使うもの?化粧水をつくる「蘭引」

2023.06.08

高さ30cmを超えるサイズ、急須が重なっているようにも見える不思議なかたち。この大きな道具、一体どのように使うのでしょうか。
これは江戸時代に化粧水を手作りするために使われた「蘭引(らんびき)」。ポルトガル語で蒸留器をあらわす"alambique"から名付けられました。そう、これは植物を蒸留させることで化粧水をつくる道具です。化粧水のほかに、薬や酒なども作られました。

どのように使用したのか、江戸時代の美容本『都風俗化粧伝』には、ノイバラ(野薔薇)を用いた化粧水の作り方が紹介されています。
同書によると...。
①ノイバラを摘み取る。
②一番下の段にお湯を入れて沸かし、中段にノイバラを、一番上の段に冷水を入れる。
③上の器に水蒸気が溜まり、口から出てきた露を茶碗でとる。
④この露をよけ、香料を蘭引に入れて香りをとり、花の露に入れる。
という方法!
二段目で蒸されたノイバラの水蒸気が一段目の底で冷やされ、水滴となって注ぎ口から流れ落ちる仕組みです。この抽出されたエッセンスは、現代でいうところのローズウォーター。上段は下の段を冷却し続けるべくぬるくなってしまった水を入れ替える必要があり、このため一番上の段にも急須のような口がついているのです。
江戸時代後半になると、市販のスキンケアアイテムも登場しますが、この蘭引を使う方法のほかにも、へちまのツルを切って水分を採取するなど、身近な植物から化粧水を作る方法も用いられていました。自分の好みやふところ具合に合わせたスキンケアアイテムを使用していたようです。

松竹梅文様蘭引 江戸時代松竹梅文様蘭引 江戸時代

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