ポーラ文化研究所ポーラ文化研究所
ポーラ/オルビス ホールディングス
JP|EN
JP|EN
Search
Close
化粧文化 COSMETIC CULTURE
コスメのある風景
やわらかな影をもつトンボの髪飾り

027

やわらかな影をもつトンボの髪飾り

2021.11.11

向かい合う二匹のトンボ。
その体は下に伸びて、櫛の歯になっています。
動物の角を素材とし、羽は淡い緑に着色されたこの櫛は
19世紀末から20世紀初頭にかけて欧米を席捲した
アール・ヌーヴォー様式の髪飾りです。

アール・ヌーヴォー様式の特徴は
動植物をモティーフにしたなめらかな曲線。
なかでもトンボのユニークな形状はデザイナーたちに注目され
家具や調度品、装身具などに用いられました。

この時代にパリで流行していたのは、
ウェーブをかけた髪を小さな髷に結い上げ
髪飾りで固定するポンパドールスタイル。
ドレスは胸部と腰をコルセットで強調した
しなやかなS字型シルエット。
アール・ヌーヴォーの有機的な曲線に呼応するような
よそおいが、パリの街を彩りました。

産業革命を経て、めまぐるしく近代化が進んだ時代。
人々は自然の中にひそむ美しさに目を向け、
日常生活に取り入れていきました。
この時代を生きた人々の美意識が宿る、
トンボの美しい陰影を掘り込んだ髪飾りです。

アール・ヌーヴォー様式 蜻蛉文角製櫛
1900~05年頃
Photo YURI MANABE

  一覧へ戻る  

この記事のキーワード

最新の記事

上へ