新潟県立歴史博物館にて「浮世絵にみる江戸美人のよそおい」が開催！

「浮世絵にみる江戸美人のよそおい」展　展示風景

2019年に開催された、ポーラ文化研究所のコレクションで構成された展覧会「浮世絵にみる江戸美人のよそおい」展。八王子夢美術館（東京）、呉市立美術館（広島）でご好評いただいた本展が、今年は新潟県立歴史博物館（新潟）に巡回しています。（～6月5日（日）まで）
浮世絵77点をはじめ、化粧道具や髪飾り、結髪雛形など合計130点以上で構成されている大ボリュームの本展。女性たちの晴れやかな姿や日常シーンを描いた浮世絵にあわせて、当時の化粧道具や髪飾りをご覧いただくことで、身分や職業などの制約のなかでも女性たちがおしゃれを楽しんでいたことを感じられる展覧会です。その見どころをご紹介いたします！

【みどころ 1】浮世絵とあわせて見る化粧道具
展覧会は「第一章　化粧の風俗」「第二章　江戸のよそおい」「第三章　江戸名所百人美人」の三章構成です。第一章では洗顔方法などのスキンケアや「白・黒・赤」の三色を用いた化粧について、第二章では遊女や御殿女中など、属性による特徴や婚礼時のよそおいについてご紹介。第三章では2020年のパリ日本文化会館「美の秘密」展でも好評だった作品、三代歌川豊国「江戸名所百人美女」という揃い物から35点を展示しています。
浮世絵に描かれている化粧シーンは、化粧道具がどのように使われていたのか理解する手がかりになります。浮世絵に登場している化粧道具の実物を展示室で探してみてください。

「浮世絵にみる江戸美人のよそおい」展　展示風景

【みどころ 2】さまざまな角度から見る日本髪
これまでも展示やイベントでご好評いただいてきた日本髪の模型「結髪雛形」は8点展示されており、浮世絵では平面的にしかわからない髪型を立体的にご覧いただけます。どのように結われているのか、その髪の流れや結んでいる高さ、髪飾りの挿し方など360度じっくりお楽しみください。
また今回は「びらびら簪」をはじめとする髪飾りのコレクションも30点以上展示されています。小さな髪飾りにほどこされた細工の美しさや可愛さを楽しんだり、日本髪に挿したときどのように映えていたのか想像したり......髪飾りのなかに、きっといろんな発見があるはずです。

「浮世絵にみる江戸美人のよそおい」展　展示風景より結髪雛形

【みどころ 3】揃い物の浮世絵や婚礼化粧道具を展示
武家や裕福な商家など、上流階級の女性のために作られた「橘唐草紋散蒔絵婚礼化粧道具」一式や、江戸を生きるさまざまなよそおいの女性たちが描かれた浮世絵「江戸名所百人美人」のシリーズが展示されています。
実は「橘唐草紋散蒔絵婚礼化粧道具」の半数、約50点が展示されるのは3年ぶりのこと！洗顔や洗髪などに使われた大きな盥、小さな化粧道具を納める優美な箱、鏡、鏡箱と鏡掛け、お歯黒道具一式、香を焚きしめて着物に香りを移すために使われた伏籠など、大小さまざまな道具類。揃いの橘唐草の模様が蒔絵でほどこされた、婚礼にふさわしい豪華な化粧道具です。
「江戸名所百人美人」は武家や庶民、芸者、遊女らのよそおいの違いや流行を見比べることができる作品。朝の洗顔をしたり、呉服店で反物を選んだり、子どもをあやしたり......江戸の女性たちの活き活きとした日常の姿が描かれています。髪型の違い、眉の有無、口元にもご注目！白い歯の女性も、お歯黒をしている女性もいます。結婚の際にお歯黒をし、出産時に眉を落としていた当時の通過儀礼がていねいに表現されています。

「浮世絵にみる江戸美人のよそおい」展　展示風景より「橘唐草紋散蒔絵婚礼化粧道具」

「浮世絵にみる江戸美人のよそおい」展　展示風景より「江戸名所百人美人」

見どころたっぷりの「浮世絵にみる江戸美人のよそおい」展。新潟県立歴史博物館の開館情報、体験プログラムなどの最新情報は新潟県立歴史博物館のHPをご確認ください。
新潟県立歴史博物館

また「展示を見に行けないけど、浮世絵には興味がある！」という方は、ぜひ国文学研究資料館（東京）との協働により撮影した高精細画像をお楽しみください。以下ポーラ化粧文化情報センターご紹介ページ内の「資料のオンライン公開」よりご覧いただけます。
ポーラ化粧文化情報センター「資料のオンライン公開」

「浮世絵にみる江戸美人のよそおい」展　展示風景より