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化粧文化 COSMETIC CULTURE
お化粧ヒストリー

美肌づくりは洗顔から

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美肌づくりは洗顔から

2018.12.13

スキンケアの基本といえば、洗顔。
洗顔がいったいいつからはじまったのか、はっきりとしたことはわかっていませんが、江戸時代には、既に習慣として行われていたといいます。

とはいえ、現代のように石鹸や洗顔フォームなどなかった時代、何で洗顔をしていたの? と思いますよね。答えは、「糠(ぬか)」や「洗粉(あらいこ)」と呼ばれる洗顔料。

糠は、タンパク質や脂肪分が含まれ、汚れを落としつつ、天然のクリームのような役割もしていました。洗粉は、小豆など、豆の粉をベースに数種類の生薬や香料を混ぜた洗顔料で、豆の粉には、サポニンと呼ばれる発泡物質も含まれ、肌の汚れを落とすことができました。

洗い方は、絹や木綿で作った小さな袋(糠袋)の中に、糠や洗粉を入れ、お湯に浸して、その絞り汁で顔や襟足などを洗いました。

ちなみに、江戸時代後期、1813年に書かれた美容本『都風俗化粧伝(みやこふうぞくけわいでん)』では、洗顔についてこう指南しています。「毎朝、湯を使うときに、熱いお湯で顔を洗うと顔にシワが出る」「強く糠袋をあてて洗うと、顔のきめを損じる」など、今読んでも納得のアドバイスの数々。美肌に通じる洗顔は、200年以上も前から脈々と私たちに受け継がれているのです。

《江戸名所百人美女 御殿山》 三代歌川豊国 安政5年(1858)
手に持っている赤い袋が糠袋。盥(たらい)からは湯気が立っている。《江戸名所百人美女 御殿山》 三代歌川豊国 安政5年(1858)
手に持っている赤い袋が糠袋。盥(たらい)からは湯気が立っている。

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